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ウマ娘は「目線」を見ろ!

皆さん、ウマ娘というスマホゲームをご存知だろうか?

ウマ娘は馬の女の子を育て上げ、レースで勝利を目指す育成ゲームであるのだがその完成度がとても高い事で話題となった。

 

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元ネタとなる馬の逸話や名場面を上手くアレンジしてスポ根物語に上手く落とし込んであるストーリー。

ウマ娘達のレースを盛り上げる実況の多彩さ。

そしてレース終了後に行われるウィニングライブの曲は名曲ばかり。それを踊る3Dモデルの美麗さも群を抜いている。

 

このゲームの完成度を物語る要素は枚挙にいとまがなく、ダウンロードして10分もプレイすれば製作スタッフのこだわりが詰まったゲームだと理解出来るだろう。

 

だが、私はそれらの中でもウマ娘達の「目線」のこだわりが尋常では無い事に気が付いた。

 

ウマ娘には育成パートの他に、各ウマ娘とプレイヤーとの出会いを描いた個別ストーリーというものが存在する。

この個別ストーリーは基本的に画面下にテキストが表示され、それに合わせて画面の3Dモデルが軽く動くという「紙芝居形式」で進んでいく。

それを知っていただいたうえで、マヤノトップガンのストーリーを例に「目線」の妙を皆さんにしていただきたい。

 

(マヤノトップガンのストーリーを1文字でも知りたくない方はゲームをプレイした後お読みください)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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このシーンはマヤノトップガン(以下マヤノ)の才能を目にしたプレイヤーが思わず見つめたのに気が付いたマヤノの1場面。

画像では分かりにくいのだが、フルボイスであると「モッテモテ♪」の言葉に合わせて3Dモデルがウィンクを行う。

こういったゲームでは3Dモデルに決まった動作が数個あり場面に合わせて適したものを一律で動かす事が多い中、こうしたボイスに合わせて完璧に動作を一致させるのはこだわりが凄いと言わざるを得ない。

このゲームは個別ストーリーだけでも各ウマ娘に7個ある上、育成中に挟まるイベント、各サポート用のイベントなど3Dモデルをセリフに合わせる箇所は無数に存在するためかかる労力は半端ではない事が伺える。

 

 

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これは後日、プレイヤーとマヤノが彼女達が通う学園で再開する場面。

マヤノの隣にいる娘はユキノビジン(以下ユキノ)でその時たまたまマヤノと行動していただけでプレイヤーとは初対面である。

 

この場面においてのユキノの目線に注目してもらいたい。

プレイヤーとマヤノを所在なさげに行ったり来たりするのである。

まさに「友達の友達とばったり会ったところに居合わせてしまった」感が完璧に出ている。

下手なアニメですら喋っているキャラ以外の時が止まる事が多い中、喋っていないキャラの動きでその心情を表しているのはこだわりを非常に感じる部分である。

 

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ちなみにこの後3人でレースを見にいくのだが、この時はユキノの「誰だろう」感が無くなっている。

このこだわりのおかげで我々は違和感に邪魔される事なくストーリーを楽しむ事ができるのだ。

 

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最後に紹介する場面はユキノがトレーニングを嫌がるマヤノがレース出走禁止になっている事を説明するシーン。

これ、全部同じに見えるかもしれないがよーく見て欲しい。

1枚目ではこちらを見ている目線が2枚目で左下に落ち、3、4枚目で少しずつ細められている。

友達であるマヤノを心配するユキノの心情がとてもよく伝わってくる。

普通の紙芝居ならば落ち込むような仕草1つで終わらせるような場面をウマ娘は何段階にも分けてまるで本当に会話しているかのような感覚を与えてくれるのだ。

このシーンは実際にプレイして「ユキノビジンが生きてる!」と感動したシーンなので皆さんにも是非プレイして頂きたい。

 

 

今回紹介するのはこれだけだが、ウマ娘は他にも細かい目線の変化が沢山ある。

何かを思い出す時に目線を右上に逸らしたり、プレイヤー以外の人間と話す時に画面外に目を向けたり、感動で目を細めたり……。

それらの描写によってただの3Dモデルは命を吹き込まれ、そこに「生きている」ウマ娘となる。

そのウマ娘と触れ合いながら共にトレーニングを行うからこそ共に勝ちを喜び、負けて悔しがることができるのである。

スタッフのこだわりによって我々はよりウマ娘というゲームを楽しむことができるのだ。

今までストーリーを飛ばしていた方も、この機会に一度じっくりと見てみてほしい。

 

 

(これらを感じたい方はオートがお勧め。恐らくタイミングをオートに合わせており、タップだとたまにズレることがある気がする)